オリンピックエンブレム問題~本質的なところの議論がないがしろに?


デザイナーの佐野氏のトレース問題が話題になっていますが、東京オリンピックのエンブレムがベルギーの美術館のマークと酷似している問題。
著作権だのデザイナーの哲学だのの議論が中心になっているけど、本質的なところの議論がないがしろになっている。

それは「他の地域で使用されてきて「真似するな」と主張されているようなエンブレムを、自国開催のオリンピックのマークとして日本人が誇りをもって受け入れられるのか?」という、市民の気持ちの問題。

私の結論は「NO」。そしてその結論は、佐野氏のデザイン哲学や、それが全くオリジナルにデザインをしたかどうかはまったく関係ないということ。
「他の地域の人々が誇りも持って使っているエンブレムと酷似するデザインを、あえて私たちは使いたくない」ということ。

@@@

数年前、東京の有名なデザイナーがトップを担う、トータル予算ン億円という隅田川を中心とした街づくりアートイベントのプロデューサーが、わざわざ東京から武豊町までお越しいただいて、とある会議が行われた。
それは、私たちが10年近く地元の街づくり活動として行ってきた光のアート活動の名称「ゆめホタル」という名称が、上記イベントの名称「東京ゆめホタル」と酷似してしまうが、使用するにあたって許可をいただきたいという趣旨の会議。

もともと私たちの「ゆめホタル」のことは知らなかったということでしたが、商標検索をしているなかで、NPOたけとよが「照明器具」のジャンルで登録していることを知って詳細に調べると、どうも、愛知県の片田舎の武豊町というところで、「ゆめホタル」という名称で、長年街づくり活動が行われていることをキャッチ。

すでにパンフレットの原案や、「ホタル」という基本コンセプトも固まっている中、商標的にも「イベント等の役務」での登録はしていないために使っても問題ないなか、あえて、武豊町まで話をつけに出向いてくれたプロデューサーに、私は感銘を受けました。

結果的に、私は使ってもらって協働して東京へ活動を広げるチャンスだと思ったのですが、NPO関係者や町の関係者の意見の総意としては「使って欲しくない」となり、その旨お伝えしました。

結果的に、「東京ゆめホタル」ではなく「東京ホタル」にイベント名称は変更され、2年前から大々的に実施されています。
あとから考えると、「東京ゆめホタル」よりも「東京ホタル」の方がシンプルでいいじゃんと思いますが・・・。主催者の皆さんは、名称の変更は結構痛かったのだと思います。

@@@

その時に、プロデューサーの方の考え方は、「すでに地元で愛着を持って使用している名前を、皆さんの意向を無視して使うことは、考えていません。」というものでした。

私は、佐野氏が、商標権だの、知らなかっただの、デザイナーのコンセプトは別だからオリジナルだのという議論は、枝葉の議論だと思います。

事実は、極めてシンプルな構成ゆえに酷似していると思う人が少なくとも存在するようなデザインであって、すでにそれを愛着を持って使用している他国から使用をやめてと言われているということ。
そして、佐野氏のデザインは、まだ生まれたばかりで、関係者以外にはだれもまだそれを誇りも持って我らのデザインだと認めて使用している実績がないということ。

デザインは誰のため? 作り手のものではなく、それを愛着を持って使いたい市民のものでしょ?

上記視点の議論が佐野氏の口から出ないことに、先のプロデューサーとの格の違いを感じる今日この頃です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

お名前 *

ウェブサイトURL

コメント

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>