自分のスキルが社会に活きる機会を、紡いであげるのが大切である件

今から37年前、ちょうどH君と同じくらいの齢のころに、某天体望遠鏡メーカーが受注した人工衛星の地上からの観察状況をシュミレーションするための回転シャッター付きの天体望遠鏡の測定モジュールを開発した経験があります。

人工衛星は姿勢を安定させるために回転していますが、地上から観察するとその影響で点滅して観察されるとのことで、点滅の頻度を変化させてどのように観察されるのかを事前に把握するための装置でした。
もう時効だと思うので金額を明かすと、その受注金額は70万円。特注の光学系をいちから製作するわけなので、そのメーカーはほとんど利益が無かったと想像します。

そんななか、受注した望遠鏡メーカーの社長さんは、回転速度の測定と表示をする部分の設計と製作の役割を、当時なんだかんだと工場に出入りしていろいろ興味を持って勉強していた私に任せてくれました。

コストダウンの狙いもあったかとは思いますが、表示機能ですから重要な部分。最終的にはコストを掛けて外注してフォローすればというリスクヘッジをしていたと思いますものの、若者にそうした機会を与えてくれた当時の社長の懐の広さに今でも頭が下がる思いがあります。

そこで私は、おそらくそれからの「モノ創り」の人生の中でもベースになる貴重な経験をさせてもらいました。それは「自分の技術が、社会で役に立つ」ということを実感できたことでした。
無事納入された後、社長さんがわざわざ自宅に来てくれて感謝の言葉とともに父に渡した封筒に入っていた謝礼は、今から思うと原価の中で結構な割合を占める金額でした。
その資金は、その後の望遠鏡製作のための材料代に使わせていただきましたが、何よりも、今回の経験で、自分が一人前の技術者になったような喜びと自信が得られたことが、一番嬉しかったです。

今回のH君とのプロジェクト。優秀なH君にとっては朝飯前のお仕事かもしれませんが、若いエンジニアが興味を持って磨き上げている技術や知識が、ちゃんと社会で価値を生んで人々の笑顔につながっているという体験、ひょっとするとそれは社会を変えることにもつながるのではないかという思いをリアルにもてる体験を、大人になった私たちは、できるだけたくさん提供してあげることが、大切だと思います。

そのためにも、GIGASTAR®SCOPE は、モノにしたいと思います。

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オフレコ
実はその開発、土壇場で結構冷や汗モノでした。
詳細は省きますが、接続ケーブルを逆さまに付けるとうまく動かない。そんな配線にしていたのです(*^。^*)
テストではOK、いざ開発事業団に持参して検収の時に、動作しないのです!すぐさまお家に電話がかかってきて「間瀬君、どうしてか分かるか!?」さ~っと体から血が引いて、いろいろ可能性を考えて、「あっ!」と思って伝えました。「ケーブル逆さまに接続して見てください!」
電話を保留にして、しばらくして「動いた!良かった!ありがとう!先方には「ケーブルの接続方向のラベルを貼り忘れていました。すぐに貼っておきます。」と涼しい顔でフォローしておいたから、心配しなくておいいよ!」ということでした。
現場での土壇場でのドタバタと、現場対応力の大切さ。
今の私の悪い癖は、すでにそこから始まっていたようです(*^_^*)

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