長年の悩みは、50ミクロンで解消

穴あけペンの品質問題の根本解決は、針の座屈(ざくつ)強度を高めること。そのために直径を、50ミクロン太くすることでした!

昨日まる一日かかって、原因と対策を行って分かったことが、針の部品加工誤差や、組み立ての難易度などを高めないと、不具合を完全に抑え込むことが難しいということでした

トラブルのモードは、針の座屈強度でした。

光る星座盤では、明るい星になればなるほど、何枚ものシートが積層された紙に穴をあけることになります。現在の仕様では、2等星以上の明るい星は、5枚重なった紙に貫通穴をあけるために、10N(約1kgを持った時の重さの力)から15Nの負荷がかかります。この負荷で、針が座屈を起こしてしまうことが根本原因でした。

もともと細い針の「穴あけペン」を実現するためには、難題がありました。それは、針のテーパー部(だんだん太くなっていく部分)以上に紙に刺さる必要があるため、針は3mm以上差し込まれる必要があることです。
0.3mmの針が3mmも出ていたら、すぐに針は曲ってしまって、使い物になりません。

そこで、GIGASTAR®の穴あけペンは、細いシャープペンの芯が折れないようにする機構を活用して、さらに穴をあけた後に、先端のパイプがバネで移動して復帰するようにしています。

この機構を採用したことで、ぷちぷち針をあける作業中に、針が紙に刺さってから左右に力が掛っても、曲らない、そんな穴あけ加工具が実現しました。

しかし、座屈強度の配慮が不足していました。

実際の製品では、下敷きの段ボールが想定よりも硬かったりして、さらに負荷が増加することを想定して、30N(3kgf)の負荷に耐えるような設計が必要なのに、そこまで強度が足りていなかったのが、原因でした。

設計ミスですね・・・・

そこで、針の太さを、0.3mmから、0.35mmに太くすることにしました。

機械工学を学んだ方であれば、すぐに思いつくことかと思いますが、座屈強さは、直径の4乗に比例するので、わずか50um太くするだけで、倍近い強度になるのです。

できるだけ精細な穴をあけたいという思いから、できるだけ細い針を採用してきたのが、迅速な決断を妨げていました。

さっそく、4等星以上の星を、0.35mmの針であけた時の星空の再現状況を確認しました。結果は、「違いが分からない・・・・(*^_^*)」でした。

ということで、生産の時には、針は0.35mmとして、今までワークショップなどで散々悩まされてきた、穴あけペンの不具合を、根絶したいと思います。

量産試作の500本は、すべて私がチェックして品質を確保して出荷します。
すでに出荷した方には、案内をしてトラブルが有ったら交換するようにしています。

それにしても、おととい、関市で穴あけをしていて改めて感じたトラブル。気が付いて出荷を停めることが出来て、本当に良かったです・・・・そのまま出荷していたらと思うと、冷や汗が出ます。

品質を確保するということは、本当に大変なことですね(・_・;)

ちなみに、この穴あけペン。素材は、ダイソーの5本100円のシャープペンですが、部品の組み立方法を変えることで、最小限の部品追加(針と釘(くぎ))で、GIGASTAR®用の穴あけペンに改造しています。針はさておき、釘が必要であること、さらにその頭の形状や保持方法にかなりの工夫をしています。

使用済みの穴あけペンをお持ちの方は、いちど、針に注意しながら分解して構造を眺めていただけると、穴あけペンに求められる性能を、部品費32円で実現するための工夫と、苦労の後を感じていただけるかと思います!

 

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穴あけペンの構造を設計中のメモです。
比べるのはおこがましいけど、ダヴィンチの手稿みたいだね(*^。^*)

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針は、先端の金属部分で保護されていて、怪我しないようになっています。
その先端が紙に近づいて・・・

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先端の金属部分が紙に接すると、内部に仕込まれたバネを押して奥にひっこみ、内部の針が紙に差し込まれます。

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一番奥まで差し込んだところ。大体3ミリくらい差し込まれています。この途中、ペンにいろいろな力が働いても、金属ガードがあるため針は曲りません。

013005

ペン先が神から離れると、内部のばねが金属ガイドを押し返して、元のように針を保護する位置に復帰します。
この一連の動きを、部品の組み立て順序や方向、取り付け位置などを変更するだけで、実現しています。

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