GIGASTAR®★ギガスターのルーツに迫る3  ・・・ 蘇る星空への情熱 LEDプラネタリウム in 1979 ・・・

3.手作りで、直径5メートルドームの製作に挑む!

プラネタリウムのデザインにおいて、ドームの大きさの決定はいちばん決断が要るところです。大きければ多きいほど、リアリティある星空を、多くの人に提供できますが、製作のコストや難易度が上がってきます。
また、いったんドームの大きさが決まると、配線の長さが決まってくるので、それ以降変更はできません。
設置場所についても、授業が始まると教室の中に置くことはできませんから、屋外での製作にさるため雨対策なども必要になります。

そこで、シリーズの製作に先立ってみんなと検討を行い、「大変だから3メートルくらいが限度だよ」という慎重論や「どうせなら8メートルにチャレンジしようぜ!」という楽観論があるなか、最終的に「5メートルドームで行こう!」というところに落ち着きました。そして先生に校舎の中庭に設置する許可をいただきました。

@@@

通常の張りぼてでは、木材で骨格を作成し、外側に肉付けていきますが、ドームの場合は内面を仕上げる必要があるため、この方法ではうまくいきません。
しかも、できるだけ美しい半球にしないと、星座が歪んでしまいます。
そこで、アルミ素材の金属製の骨格を用いて半球を構成し、そこに段ボールを貼り付けて面にすることにしましたが、これがいまいちの発想でした。
コストの関係で丈夫な形材を使用することが出来なかったこともありますが、強度設計するようなノウハウもなく適当に作ったため、まったく剛性がないふにゃふにゃの骨格になってしまったのです。

「え~! ぜんぜんだめじゃん! どうする・・・」  「困ったなぁ・・・」

と、いきなりの問題発生で、皆で頭を抱えてしまいました。

今から思えば、その当時から「こまったなぁ・・・」というのが私の口癖になったような気がします。このプラネタリウムの成功に気を良くした高校生の私は、その後さらに無謀にも「レンズ研磨」にチャレンジしましたが、困難な状況になった度に、腕を組んで「困ったなぁ・・・」と悩んで解決策を探るというのが日常になってしまったようです。

もっとも、自分にとって、この「困ったなぁ~」というのは、言葉ほど困っていなくて、いろいろ打開策を考えることを楽しんでいるような節もありました。

@@@

結局子どもたちだけでは解決できず、家で両親に相談しました。
すると思いもかけず母親から、

「張りぼてならやっぱり竹でしょう。竹は軽いし丈夫だし値段も安いと思うよ。竹屋さんなら知り合いがあるから頼んでみる?」

というアドバイスがありました。

このアドバイスってすごいですよね。経験に基づいたソリューションだけではなく、その実現のための調達先まで紹介してくれるわけです。
たしかに張りぼては竹で肉付けをしていきます。自分が経験がなかったからそういう発想が浮かばなかっただけで、やはりいろいろな人に相談するのが大切だということをその時に学びました。

その足で竹屋さんに行って、幅2~3センチくらいに割いた竹を分けてもらい、翌日からその竹を用いて、ふにゃふにゃのアルミ骨格の補強に入りました。

今から思えば、車が運転できない高校生がこうした資材の調達を行うために、大人のサポートがたくさんあったのだと思います。決して自分たちだけで作っていたのではなく、みんなで作っているんだということを、もう少し感謝しなければいけなかったよなぁと思います。

@@@

こうした大人のアドバイスとサポートを得た高校生たちは、最初の難関を乗り越えて、いよいよ5メートルドームの完成に向けて本格的な作業に入りました。

しかしそれは、夏休みの屋外の、過酷な作業の幕開けでもありました。

つづく

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

お名前 *

ウェブサイトURL

コメント

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <s> <strike> <strong>