GIGASTAR® 「誰の何の困りごとに応えるのか?」この問いかけが原点


GIGASTAR®は8月1日に、特定非営利活動法人ギガスターとして法人化します。
今週末に開かれる天文教育普及研究会での発表資料をまとめているなかで、あらためて冒頭の問いかけを、自分自身に投げかけています。

私は会社の仕事で、東海若手起業塾と言う、社会課題にビジネスの手法で取り組む若い起業家を支援する取り組みを応援する社会貢献活動の立ち上げと会社サイドの担当を、マネジャーとして6年間担当しました。

その支援の現場で、数限りなく繰り返されてきたのが、冒頭の言葉でした。

自分がやりたいことをやるのではない。あくまで、誰かの何かの困りごとに応えることを行うことで、はじめて事業は回り、価値を持続的に提供できる

当たり前と言えば、当たり前のことなのですが、起業家にはたいへん強い思いがあるので、ここのボタンが掛け違えていると、その修正はたいへん困難なのです。

これは、社会的事業でなくても、通常の企業でも同じことが言えて、私が勤めるブラザーではそれを”At your side.”というモットーで全ての従業員が共有しているのですが、特に、人々の共感を得て、多くの市民の社会貢献資源を形にすることで、行政や企業のアプローチでは実現できないかたちで、新しい価値を生み出そうと企てる社会的事業の経営者には、絶対的に必要な視点だと思います。

そうしたなか、天文教育普及研究会のメールリストに参加して、天文普及に携わる先輩方々に対して、ちょっとKYな投げかけをしたことがあります。

長いですが、ちょっと抜粋します。

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会員各位

こんにちは、ギガスター実行委員会の間瀬です。

年会でも発表させていただいたGIGASTARの活動ですが、国の創業補助金をいただいて、NPOでの事業化にむけて活動を進めています。
補助金のつなぎ融資は、市民バンクから融資をいただく予定なのですが、そのなかで、徹底的に顧客ニーズのことが問いただされます。

つまり、市民から頂いた志のお金(志金といいます)を融資するにあたっては、どんな社会課題で、どれくらい深刻で、何人困っているのか?という全体認識に基づいて、融資すべきかどうかを判断されるということです。

ぶっちゃけて言えば、

「あなたたちが天文が好きだから行っていることではないのですか?」

という問いにロジカルに答えないといけないのです。

あらためてそうした広い視点で、GIGASTARや、天文教育そのものを考えて見た際に、私は知らないことだらけだと思い、少し恥ずかしくなりまして、ぜひとも、学校の理科教育に携わる皆様にも、お尋ねしたいと思った次第です。

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私が良く分かっていないのは、小学校から高校にいたる学校教育と社会教育を含めて、理科教育の中における、天文教育の必要性と課題について、同じ理科教育の中の他の科目(生物、物理、化学そのほか)と比較して、どのような状況にあるのか?という質問です。

私は、星が好きなので、どうしても、天文教育の普及が必要と言う文脈からスタートしますが、そもそも理科教育というスコープで考えた場合、その全体の中で、本当に対応しなくてはいけないジャンルなのか?と言われたら、回答できない自分がいます。

自分なりには、

>本当はこうあるべき
・宇宙や天文の認識や理解は、とっても大切であり、理科系、文系に限らず、人間として必要。(世界観や宇宙観など、哲学的なところや地球環境を考えることの基礎認識など含め)

>でも状況は
・天文教育は本来到達しなくてはいけないところまで到達するためのアプローチが、自然相手ということもあり、他のジャンルよりも実施しにくいので、どうしても不十分になりがち。
・例えば、物理だったら実験装置だけで教育できるのに天文は観察相手が空にあるので、プラネタリウムなどのインフラが必要で、なかなかやりにくい。
・天文は、化学、生物、物理と違って、実社会に密接にかかわるところが少ない。
・天文は、認識系、理解系の学問であり、課題解決のツールとして有効な、化学、物理などに比べてより上位の学問に向かうための必要性が低いので、受験科目に採用されず、したがって学校でも優先順位が下がる

>だから
・もっと天文教育の普及が必要

というロジックなのかな?とおぼろげに思っています。

「天文教育の普及がより必要だ!」

と、天文関係以外の人たちに共感いただくために、こうした全体視点での位置付けを、自分としてもしっかり認識しておきたいと思った次第です。

やっぱり、天文教育はもっと推進されるべき分野ですよね!?

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このメールを受けて、多くの先輩方々の議論が行われました。
その具体的な内容を引用するわけにはいかないので、その中で落ち着いたポイントは、やはり社会的な合意を得られている最も上位の方向性。学校教育においては、学習指導要綱に立ち返ることが大事、ということになりました。

ここで、皆さんに紹介したかったのは、その学習指導要綱に記載された、小学校における天文分野の記載です。たくさんある理科教育の分野の中で、わずかな部分ではあるのですが、そこに記載されていることが、私たちの目指すべき姿を定義する重要な社会的合意であることは、間違いなく、そこに記載されている「夜空に輝く無数の星に対する豊かな心情と天体に対する興味・関心を持つようにする。」という内容に、ちょっと感動しました。

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■学習指導要綱 第4学年 B.生命・地球 (4)月と星

イ 夜空の星を観察することによって,いくつかの明るく輝く星や明るさの違う星 が散らばっていること,星には青白い色や赤い色など色の違いがあることをとら えるようにする。また,このような星の特徴について児童が直接観察する機会を 多くもつようにして,夜空に輝く無数の星に対する豊かな心情と天体に対する興 味・関心をもつようにする。

ここでの指導に当たっては,実際に月や星を観察する機会を多くもつようにし,天体の美しさを感じとる体験の充実を図る。また,方位磁針による方位の確認や観察の時間の間隔など,定点観察の方法が身に付くようにする。月や星の動きについて,映像や模型などを活用することが考えられる。さらに,移動教室など宿泊を伴う学習の機会を生かすとともに,プラネタリウムなどを積極的に活用することが考えられる。なお,夜間の観察の際には,安全を第一に考え,事故防止に配慮するように指導する。

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こうした「あるべき姿」と「現在の状況」の間のギャップが、私たちが取り組むべき課題の部分であると考えられます。

そうした分析から、昨年から、小学校や中学校の先生の卵である、若い学生さんが大学の授業で、天体望遠鏡を使ってGIGASTAR®で再現された星空を観察する講義を、静岡大学教育学部と連携して実験的に実施してきました。

その結果は、大変有効であるという結果で、私たちは今後の活動の目標として、全国の教員を目指すすべての先生の卵である「若者」が、こうした講義を受けることになって、「夜空に輝く無数の星に対する豊かな心情と天体に対する興味・関心」を持つ当事者になってもらって、学校の望遠鏡や野外体験学習の機会が有効に活用されるようになることを目指したいと目標を定めました。

この活動自体は、すぐにマネタイズできない活動ですが、10年20年という長い視点で、天文教育の普及に与える影響はとても大きいものがあると思います。

ちなみに、「光る星座早見~GIGASTAR®SKY」は、この「マネタイズできないが影響の大きな活動」である学校現場での天文教育の機会をさらに有効にするものとして、「マネタイズできる活動」につなげて行くための、重要な戦略的商品になるため、一生懸命商品化を模索しています。

また発表が終わったら、静岡大学での取り組みを紹介しますね!

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